宮崎謙介⇒加藤謙介の誰にも見せないつもりの日記
「終身雇用は経営者の覚悟」
※ウェットな考えを持っている私の勝手な思い込みエントリーです。
学生たちと接点を持ち、特に就職活動での接点が多い。
受ける悩み相談は90%が就職活動関係の内容だ。
新聞で就職氷河期になると騒がれているが、今年は昨年から
さらに落ち込むということはなさそうだ。とはいえ、昨年同様に
厳しいことは間違いない。就職浪人をしている学生も多い。
そんな中で、やはり学生は安定を求める。当たり前だと思う。
不安な精神状況で、さらにこれからの日本に明るい話がない中であれば
そういう志向に向かうのも理解ができる。
そんな彼らを不安にさせている一つが「成果主義」だ。確かに
成果主義という概念は資本主義においても、現代の日本社会においても
非常に重要な概念だろう。ただ、この協調を重んじる日本社会に
おいては成果主義というものはあまり合っていないようにも思う。
日本の高度経済成長に誕生した「年功序列」が残した癌を排除するためにバブル崩壊以降、
成果主義は導入されるようになった。しかし、その歪みも生まれているように感じる。
成果やコストに意識を取られ過ぎるあまり古き良き日本は豹変した。
大切な何かが失われているように思う。
戦後と今の日本の大きな違いがある。
希望だったり温かさだったり、そういう日本古来からあるものを
大切にして経営に取り込んできたのだろう。それで生まれてきたのが
年功序列であり終身雇用だった。もちろん右肩上がりの経済状況だった
からこその制度であったのだろうが、少なくともこの制度には血が通っていた。
家族的経営、血の通った経営はこの制度にも表れていたのだろう。
2010年、就職活動を迎える学生たちにもその波紋は及んでいる。
何が彼らを不安にさせているのか。それはこの血の通っていない社会だ。
新卒に対しても実力主義を突き付け、不景気になると容赦なくリストラを
するようなイメージもあるのかもしれない。企業が温かいものだと思っている
学生は少ないだろう。
年末に、日頃お世話になっている大手企業の先輩と飲んだときのこと、
「部下を叱責するときも愛情を持っていなければならない」と仰っていた。
また、新卒で総合商社に入社した後輩の話で田舎から上京してきた家族を
セキュリティの厳しいオフィスにお招きし、会議室にてその上司とさらに上の
上長たちと一緒に皆さんでランチをしたらしい。これも会社内の愛情だ。
私はまさに組織内における愛情が重要なのだと思う。
年功序列を撤廃し、成果主義を導入し、何故かドライな経営に
なってしまった感は否めない。新興企業をみていてもドライ寄りな
経営をしているのだろうと感じてしまう。
すると面白いもので、社員も割り切った付き合いを企業とするようになる。
給料さえ良ければいい、スキルが磨ければいい、
社費留学して帰国したらさっさと転職する(←最悪)。
これは会社経営が社員たちにとっているスタンスの表れなのだろう。
両者に信頼関係はなく、お互いがお互いを利用する。
それでいいのだろうか。
生意気を言うようだが今一度、血の通った経営を見直してほしいと願う。
ここで私が注目したいのが終身雇用だ。
終身雇用は年功序列と同時に撤廃されてしまったような感があるが、
終身雇用こそ、日本が大切にすべき日本的経営の結晶だと思う。
「お前の人生を、うちの会社が一生預かる」
それが終身雇用制度なのだ。
さらに私はこう考える。「終身雇用」は覚悟の証だと。
制度として設ける必要はないかもしれない、声高に唱える必要はないかもしれない。
ただ、社員と本気で向き合うことを示す最高の決意表明になるのではないかと
・・・
私は思う。